「北三陸は元気」首都圏物産展に積極出店(2012/01/05 09:00)
「三陸の元気を伝えるのが使命」との思いを胸に、加工したワカメを箱詰めする下苧坪之典さん=2011年12月28日、洋野町種市
 天然ワカメを加工販売する洋野町の海産物卸業「ひろの屋」代表の下苧坪(したうつぼ)之典さん(31)=八戸市在住=が、東日本大震災の大津波で打撃を受けた北三陸の海産物をPRするため、首都圏の物産展に積極的に出店している。被災者支援の一環として、野田村ではワカメ漁師たちを元気づけようと食事を提供。八戸市館鼻地区に昨年10月オープンした産直施設「みなとの駅」の立ち上げにも尽力した。「動ける人が動かなくてはならない。北三陸の元気をPRするのが自分の使命」と力を込める。
 震災時、洋野町種市地区にある会社は無事だったが、同町八木地区の冷凍倉庫が大津波の被害を受け、販売間近だった瓶詰めウニ約千個を失った。「終わった」。この言葉が脳裏をかすめたという。
 しかし、テレビや新聞で被災地の状況を知るうちに、「落ち込んでばかりはいられない。何か行動を起こさなければ」と決意。より多くの人に北三陸の現状を伝えるため、首都圏の物産展に積極的に参加するようになった。
 会場では、買い物客に自らの復興への思いも語った。「頑張って」「応援してるよ」とエールを受けたが、「どこで取れた物なの?」「本当に食べて大丈夫か」と、福島第1原発事故の影響を懸念する声も聞かれた。その都度、北三陸の海産物の安全性を説いた。
 岩手県北地方最大の被災地で、ワカメ産地の野田村にも足を運んだ。震災後間もなく投稿サイト「ツイッター」を通じて知り合った八戸市のレストランオーナーらと協力し、5回にわたり豚汁などの食事を提供した。
 「漁師の皆さんの元気なくして、北三陸の復興はあり得ない。つらい状況の中、笑顔を浮かべて食べてもらい本当にうれしかった」と当時を振り返る。
 炊き出しと並行して、流失した野田保育所に絵本や玩具を寄贈。「これからを生きる子どもたちを笑顔にすることも大事」と話す。
 「今年は新商品を作り、震災復興に向けて日本各地で北三陸の魅力をPRしたい」と下苧坪さん。「未来のために、震災は必ず乗り越えなければいけない。元の姿になる日まで、活動を継続していきたい」と思いを語る。(小嶋嘉文)
【写真説明】
「三陸の元気を伝えるのが使命」との思いを胸に、加工したワカメを箱詰めする下苧坪之典さん=2011年12月28日、洋野町種市

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